破門 ふたりのヤクビョーガミ ー二宮という男ー


なんだかんだ何日も空いてしまった。今のところ3回観たけど、さすがに時間が経てば忘れてしまうこともあるから、はやめに書きたいことは書ききりたい。





主役のもう一人、二宮啓之。

①もっさい ②だらしない ③金にこすい
最初はそんなイメージだった。


しばらく散髪にいっていないような髪をセットもしていないからボサボサ。いつでもタバコを吸ってるし、服はダボダボでダサい。見た目だけ見ると桑原と真逆、まさにぐーたらビンボー。




二宮はカタギのはずなのに、極道の桑原のほうがまっとうに生きてるんじゃないかと思うほど二宮はだらしない。だらしないという言葉が最適だとは思わないけど、今は他の言葉が思いつかないからとりあえずこれで。

毎日昼過ぎまで寝るし、仕事がこなくてお金がないのは「親父が二蝶の幹部やったから」「サバキしかできないから」「暴排条例ができたから」なんて言い訳を並べる。

挙句、お金が無いと実家に行って母親に借りる。「親不孝を3Dプリンターで打ち出したみたいやな」まさにその通りだと思うけど、頼られる母親は嬉しそうだから、母親は親不孝なんて思ってなくて、むしろ頼るのが親孝行なのかもしれないなぁとも思う。

「20万貸してくれ」は絶対親孝行じゃないけど。




普段はお金に執着の強いおっさんな二宮だけど、お金を借りる以外の面では、母親ととても良い関係を築いているように思える。ご飯を食べたあとなのに母親のご飯も食べたり、すき焼きのシーンはほっこりする。あそこに二宮の隠れた人の良さが出てるのかなぁと思う。

この映画は、恋やら愛やらというものはないように思えるけど、二宮の母親の愛がたっぷり詰まった映画に思える。





そんな二宮も、お金への執念だけはものすごく強くて、お金のことになるのねちっこくなるし頭の回転が早くなる。桑原に協力するならとりあえずお金。すぐにお金の交渉をして、言いくるめる。


本当にお金のためだけに桑原と関わっているとわかるのが、小清水に「銀行にお金がある」と言われて、カジノにいる桑原を放置して日本に帰ったシーン。小清水を見つけた時の100万円はちゃっかりもらったくせに、びっくりするくらいだ。




カタギなのに島田とは普通に話せるし、桑原とも当たり前のように関わっているから、父親が二蝶会の幹部だったからヤクザになれてるのかと思いきや、すぐ縮こまる。

島田は昔から可愛がってもらっているから関わることができるのは理解できるが、桑原となんだかんだ仲良しこよしできているのは、結局桑原と気が合って、そして心の奥では好きなんだろうと思う。




マカオから逃げ帰ってきたような男が、大金を持って逃げろって言われたのに逃げずに助けに行ったのは二宮の心の成長だなぁと思う。

小林聖太郎監督も「映画の大筋に二宮の変化を描いた」みたいなことを言っていた。

でも、あそこで人情というものを形にしてしまったからこそ、前みたいに金だけに執着して桑原と関わるのではなく、一人の人間として桑原と関わっていってしまいそう。そしたらもう桑原と縁を切るなんて無理だろうなぁ、ずっとずっとなんだかんだ関わっていくんだようなぁと思う。


だから、カタギになったお金の匂いのない桑原にも、たったひとつのライターだけで会いに行った。


冒頭で「名前聞いただけで吐きそうや」なんて言ってるくせに、最後には自ら会いに行くんだから、心の中で「いくんかーい!」って言った。原作の破門ではあのシーンはなかったから。もしかしたら喧騒の冒頭があんな感じなのかもしれないけど。




ここまで書いて思い出したけど、茨城の郡で滝沢組の二人をボコボコニしたあと、「事務所に防弾ガラスとかないですから!」ってすごく早口でねちねち文句垂れる二宮がおもしろくて好き。「必死か」ってツッコみたくなる。まさしく必死なんだろうけど(笑)




そろそろ整理をして書くということができなくなってきた。この映画について書きたいことが多すぎて文章力が欠如してる。

あとは木下ケンについて書きたいし、他の登場人物についても少し書きたいから、そのときはもう少しまとめて書きたい。